• コラム
  • 2017.09.29

“アラサー”その年齢とイメージ


日常生活

気づき

 年齢に関する調査より

 アラサーって何才まで?

先日、アラサー女子向けのお仕事に関わらせていただく機会がありました。
「アラサー女子」。
30才は過ぎましたが、私もまだ四捨五入すれば30才。アラサーが文字通り「アラウンド30(サーティー)」なら、私も“アラサー”なはずなのですが、そのアラサー女子向けのメディアの中で繰り広げられている話題や出来事は、私とは程遠いもののように感じました(たしかに、毎日会社と保育園と家のトライアングル生活をしていたら、婚活パーティーもワインバーもジム通いも縁がない世界なのですが)。
もしかしたら、“アラサー”には、言外の「アラウンド30」以外の意味が含まれているのかもしれない。そう感じて、早速調査をしてみました。

 あれ?意外とアラサーって幅広い?

改めて、“アラサー”の意味ですが、wikipediaには「『around thirty』(アラウンド・サーティー)の略で、30歳前後の人のこと。」とあります。「2006年頃に生まれた和製英語で2005年11月に創刊した女性雑誌『GISELe』(ジゼル・主婦の友社)が具体的な年齢を出さずに年齢を伝えるために使い始めたのが始まり」で、「『25歳から34歳』『28歳以上32歳以下』などの定義があり、(中略)多くは30歳以下の女性の(主に自分に自虐的に使われること)ことをいう」とのことです(wikipediaより)。
やっぱり、もう30才を過ぎたら“アラサー”じゃないのでは!?しかし、人々の実際の認識では、意外と幅広く“アラサー”を捉えていることがわかりました。
その始まりは28~30才と考える方が多く、“アラサー”の意味を考えると違和感はありませんが、終わりは「34才」と考える人が最も多く、次いで「35才以上」という、30才以上もまだまだ「アラサー」と捉えられている、意外な結果になりました。

 ネガティブイメージ優勢

“アラサー”世代の人たちは実際自分たちを“アラサー”と思っているのでしょうか。1981年生まれ(今年満36才)から1993年生まれ(同24才)の方の意識を見ると、26才から「自他共に認めるアラサーである」と感じる人たちが増え、30~34才ではその割合が6割以上になります。一方、26才から30才では「世間的にはアラサーだと思うが、自分では認めたくない」と感じる人が4人に1人程度います。特に30才未満の人では、自分で“アラサー”と名乗ることに抵抗感を持つ人がいるようです。

どうも、“アラサー”という言葉自体、“アラサー”周辺の人たちからはネガティブに受け取られているようで、このような結果も出ました。
“アラサー”という言葉に対するイメージをポジティブかネガティブかで聞いたところ、“アラサー”を控える20代、突入した30代では、「ネガティブに感じる」合計が、「ポジティブ」の合計を大きく上回っています。一方、年代が上がるにつれこの傾向は逆転し、50代以上では「ポジティブ」なイメージの方が強くなります。

 お、お、お、おばさん…!!!???

「“アラサー”と聞いてどんなことをイメージしますか。」という設問の自由回答、なんと、「おばさん」または「おじさん」と回答した人が1割もいました。

(「”アラサー”と聞いてどのようなことをイメージしますか。」という回答をワードクラウドにて表示したもの。大きく表示されている単語ほど、回答の中での登場頻度が高いものになる。)

(同じ設問を弊社独自の技術である可視化マップで表示したもの。回答が構文解析によって文意のある形で要約され、似た話題ごとにグルーピングされる。)

「内臓脂肪が増え、肌も乾燥に弱くなり、記憶力も衰え始める。また、徹夜などもきつくなり、なるべく深夜までのお酒のつきあいを避けるようになる。社会人としての責任も年々増え、ストレスの解消をしないと何事もうまくいかなくなる。(34才男性)」
「おばさん。自分がその年齢に差し掛かってきてとてもいやだ。(25才女性)」
「肉体的に年をとっていて、恋愛など何事にも積極的ではないが、仕事はできるイメージ(23才男性)」

若い世代の言葉がストレートすぎて突き刺さります(涙)。
たしかに私自身で考えてみれば、30才過ぎてなおかつ子供もいるので、自分のことを「お姉さん」と自称するなんておこがましすぎできません。子供たちを相手にするときの一人称は「おばちゃん」「おばさん」ですし。

でも…
「おばさん(おじさん)」
その言葉の破壊力たるや…。

森高千里が「私がオバさんになっても」を歌っていたのは彼女が23才だったときだそうです。
彼女が歌っていたのはあと数年後の、そう遠くない未来のことだったのでしょうか…。

 言葉のイメージに流されず、変化が多い時期をどう生きるか

ただ、一方ではポジティブなイメージを持つ人、長い人生においても特に重要な時期と考える人も少なくありませんでした。

「仕事もバリバリできるキャリアウーマンでかっこいい。もしくは女性らしく優しいママ。 (27歳女性)」
「20代前半までに試行錯誤した生活スタイルやファッションなどを、ブラッシュアップしていく時期。アラサーを抜ける頃には、洗練された大人の女性に安定している。(29才 女性)」
「やっと、社会人として一人前になれた、存在感のある年齢。社会で教えられる立場から、教える立場への転換期。(67才 男性)」

“アラサー”という言葉から受け取るイメージは人それぞれでも、30才前後にライフイベントや人生の岐路となるような大きな転機を迎える人が多いのは事実かと思います(実際、女性で見ると、平均初婚年齢は29.0才、第一子出産時の平均年齢は30.7才です(厚生労働省 人口動態統計より))。結婚したり、子供ができたり、仕事を辞めたり、転職したり、昇進したり。これまで同じように歩いてきた友人たちと違う道を選択し始める時期だからこそ、悩んだり迷ったりすることも増える時期のように感じます。

「50代になった私からすると、まだまだ充分若くて人生これからという印象。ただ、アラサーの頃をどう生きるかで、その後の人生が結構決まりそう。特に女性は、結婚や出産、仕事など迷いや悩みが多い時期だと思う。(53才 女性)」

めまぐるしく世界が変わるこの時期を生き抜いてきた大先輩の言葉に、年齢でも、他の人にどう見られるかでもなく、「どう生きるか」なのだと気付かされます。「何才までが“アラサー”なのか?」と、年齢でしか考えられない自分が浅はかでした。

最後に参考情報として、年齢より若く見られたいという割合は、子持ちかそうでないかで変わるというデータがあります。子供相手には妥協できても(「おばさん」を自称できても)、世間から「おばさん」と呼ばれることには、やっぱりまだ抗いたいのです。

(Insight Tech独自調査 2017年6月 全国 女性2,000ss)

ちなみにうちの子供は、掃除のおばちゃん(推定50代)を「おばあちゃん」と呼びます。気まずいので本当にやめてほしいと思いつつ、年齢に対するクリーンで先入観のないイメージ教育も必要と感じる今日この頃です。

調査概要
調査対象: 不満買取センター会員 1,050ss
調査手法: 不満買取センター(web)内でのアンケート
地域: 全国
調査期間: 2017年8月

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