オノマトペで振り返る2018年、そして2019年!

2019.01.21

■背景■

擬音語や擬声語、擬態語を包括した言葉として、“オノマトペ”があります。
(例:擬音語=わんわん・めーめー、擬声語=おずおず・おどおど、擬態語=きらっ、ひらひら等)
有名な「今年の漢字」のように、1年をなんらかの形で表現することは、シンボリックでわかりやすい取組が存在します。今回新たな取組として、「漢字」ではなく「オノマトペ」で1年を表現して、2018年を振りかえり、そして2019年にどのような期待を持っているかを調べてみました。

■2018年のオノマトペ

~2018年は「ばたばた」が1位!次いで「いらいら」「わくわく」~

「2018年を振り返ってのオノマトペ」としてアンケートの結果、約400種類のオノマトペが抽出されました。回答数の多いオノマトペ上位20位を表示した結果が図表1となります。

~出産育児、身内の不幸、転職などの転機から「ばたばた」感じやすい~

それでは、どのような背景からそのようなオノマトペを回答したのでしょうか?2018年に起きた出来事を自由回答形式で聴取した結果とオノマトペとの関係性を、弊社の文章解析AI「ITAS( http://lab.insight-tech.co.jp/articles/68/ )」で解析しました。

意見タグとは、構文解析技術を活用し「□□ – ガ – ○○」等の形で抽出された意見性のあるフレーズのことです。一般的なテキストマイニングでよく見られる「単語への分解」ではなく、意味のあるフレーズの形で抽出されるので、大量の文章の中からどのような意見が含まれているかがわかりやすいという特長があります。例えば、今回の分析で用いた1ケースから抽出された意見タグのリストは図表2のようになります。今回のアンケートでは2,000件以上の大量のテキストデータがあり人的な解析では時間がかかりますが、ITASを活用することで、スピーディーに意見タグが抽出され、定量的な確認も可能となります。

今回、2018年に起きた出来事(自由回答データ/1回答者当り平均20文字)から、意見タグを抽出してオノマトペとの関係性を確認しました。上位にあげられたオノマトペで特長的であった意見タグをまとめたものが図表3となります。
2018年で最も多くの人に回答された「ばたばた」は、身内の不幸や疾病、転職などの変化、そして、出産などの出来事に関する意見タグが特長的でした。様々な出来事が起きたために、それまでの生活よりも忙しくなる事象が影響している可能性があります。また、「いらいら」は、時間がとれない、人間関係などの嫌な面倒なことがおきる、お金が無い、仕事などの停滞などが影響していることが伺えます。「どんより」は、身内の不幸による心的ストレスや職場の人間関係などのストレス、成長できていない停滞感などが影響している可能性があります。
 一方、上位にあげられたポジティブと解釈できそうなオノマトペについて、まず「わくわく」は、出産、新築・引越し、旅行やイベント、そして、様々なチャレンジから人との出会い・発見などが影響していそうです。最後に「きらきら」については、家族の成長を実感したり、仕事の達成感を感じたり、やりたいことにチャレンジする、恋人ができるなど、非常に充実した出来事が背景にあることが伺えます。
 オノマトペについては、人によって解釈や表現形式が異なるため、同じ用語でも意味合いが異なることが指摘されていますが、背景情報の意味合いを確認していくと、それぞれのオノマトペの表現にも、その人の背景情報が影響していると考えられます。

■そして、2019年に期待するオノマトペ

~2019年は「わくわく」「きらきら」などを期待している~

終わってしまった2018年のことはさておき、いよいよ始まった2019年に期待するオノマトペも聴取しました。その結果としては、1位「わくわく」、2位「きらきら」などが上位になりました。次いで、「るんるん」「にこにこ」「ウキウキ」など、当然ながらポジティブなオノマトペに占められました。日々の生活の中で、出産育児や引越し、旅行、出会い発見など新たなチャレンジを行っていくこと、そして、いろいろやってきた努力が身を結ぶことなどが、上位のオノマトペを実現するためには必要なことと前項の分析から考えられます。

今年で平成も終わり、新しい時代に変化していきますが、こういった社会の変化は、消費者の気分や雰囲気に影響し、消費者の生活・消費行動にも関係していくと考えられます。そうした意味で、消費者の気分・気持ちを表現する1つとして、こういったオノマトペの推移をみていくことも、今後必要となるかもしれません。(株)インサイトテックは、自然言語解析を事業領域としており、今後も継続して消費者のコトバに関して研究していきます。

■調査概要■
(株)インサイトテックが運営する「不満買取センター」にご協力頂いている会員に、「2018年を振り返ってのオノマトペ」と「2019年に期待するオノマトペ」という形でアンケート調査を行いました。

調査主体:実施主体:(株)インサイトテック
調査対象:不満買取センター会員
調査実施時期:2018年12月30日
有効回答者数:2,089人

渋瀬 雅彦

執筆者情報

筑波大学大学院卒

マーケティングリサーチ会社において、日用消費財メーカーを中心にリサーチ業務に従事した後、リサーチパネル開発やリサーチ手法の開発を推進。

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