日本のスポーツレガシーについて考えてみた

ー (その2:ラグビーワールドカップ2019から) ー

NEW!2018.02.08

早いもので2018年が始まり、既に1ヶ月が過ぎました。お正月に立てた目標に向かって、日々を順調に過ごしていますでしょうか。なかなか計画通りに実行していくことは、難しいと感じています。筆者が立てた目標の一つに、「毎月最低10日間、1日1時間以上のワークアウトをする」があります。先月の1月は、無事に目標をクリアすることができました。お互いにそれぞれの目標に向かって、頑張ってきたいですね。


毎年2月になると、「球春到来」という言葉を聞くことが多いのではないでしょうか。2月1日がプロ野球のキャンプインとなるため、スポーツニュースやスポーツ番組、スポーツ新聞などで、プロ野球選手のキャンプ地の練習風景や、選手の体調の様子、紅白戦などが一斉に報道され始めます。

日本で最もメジャーなプロスポーツであるプロ野球の長い1年が始まると、応援している球団や選手の動向が毎日気になって仕方がない人も多くいるのではないかと想像できます。

今年の球春関連の報道では、早稲田実業から日本ハムファイターズに入団した清宮選手、初のセ・リーグ球団の中日に入団した松坂選手、メジャーリーグのエンゼルスに入団した大谷選手が話題の中心のようですね。

特に松坂選手は、今までの実績から1980年生まれの選手を代表しており、松坂世代という代名詞が存在するほど注目されています。まずは怪我なく復活し、同世代の阪神の藤川選手、ソフトバンクの和田選手などに負けない活躍を期待したいですね。移籍先がまだ決まっていない同世代の村田選手が仮に中日に入団すれば、今年の中日は面白くなるだろうと勝手に思ったりしています。


「球春」は、春(2月~3月)を表現する季語として扱われ、このことからも日本のプロ野球人気の高さを感じますが、今年の2月は平昌オリンピックが開催される為、プロ野球だけではなく平昌オリンピックに出場するメダル候補選手の直前の試合結果やオリンピックへの意気込み、今までの厳しいトレーニングに関連した報道を、日々見る機会が増えています。

日本代表として出場する全ての日本選手に、大声援を送りたいですね。メダル獲得、上位入賞を期待しましょう。


さて、前回のコラムで書きましたが、2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2021年の関西ワールドマスターズゲームズが開催される3年間を『ゴールデン・スポーツイヤーズ』と称しますが、皆さんは来年に迫ったラグビーワールドカップの観戦チケットが、先日の1月27日から抽選販売開始されたことをご存知でしたでしょうか。

筆者は、この抽選発売開始を記念し1月27日に東京・丸の内ビルディングで行われたオープニングセレブレーションに参加してきました。当日はラグビー日本代表選手、他競技のオリンピックメダリスト、元スポーツ選手、著名人が多く出席し、一般参加者とともに大いに盛り上がったのですが、そこに参加していた一般参加者の何人かと情報交換をしてみると、ほとんどの人が日頃からトップリーグを観戦しており、好きな実業団チームや選手がいる、ラグビーのルールに精通している、といったラグビー通の人が大半を占めている状況でした。

上記で記載したように、ペナントレースだけではなくキャンプ地の練習さえもメディアに大きく取り上げられる国民的人気スポーツであるプロ野球や、Jリーグを設立後、僅か数年で競技人口とサポーターを急速に増加させ、メジャースポーツに成長したサッカーのように、多くの競技人口、ファン、サポーターが存在しているとは言い切れないラグビーにおいて、日本は最高峰の大会であるワールドカップを来年主催国として開催することが目前に迫っています。現時点でこのことを、一般の生活者はどのように受け入れているのだろうか。また、どのような不満や要望を持っているのだろうか。一人の熱心なラグビーファンとして、非常に気になっており、弊社が保有する生活者の不満や要望の投稿データベースから集計を行うことにしてみました。

筆者は、『ゴールデン・スポーツイヤーズ』を通じ、日本はスポーツの力で「絆力」を深め、スポーツレガシーの観点から地方創生・地方活性を図ることができる。さらに国の経済力、魅力度の向上が達成できると考えています。その為、最初のイベントであるラグビーワールドカップの成功は、重要な課題だと思っています。

集計結果から、「TV放送・マスコミ・取材」が30%を超えており、最も不満や要望が高い状況でした。内容を確認すると、試合のTV放送が少ないことへの不満や、一部の選手だけに取材が集中しており、日本代表(ジャパン)としての取材を期待する要望が見られました。

前回のイングランド大会で、世界ランク3位の南アフリカを僅差で破った試合は、「スポーツ史上最高のセットアップ」と言われており、記憶に残っている人は多いと思います。しかし、その試合で大活躍したフィフティーンについて、プレースキックをする際の独自のルーティンで非常に注目された五郎丸選手のことは覚えていても、それ以外の選手のことを覚えている人はあまり多くないと思います。

スポーツとマスコミは非常に密接な関係にあり、特にワールドカップやオリンピック・パラリンピック、世界選手権といった世界大会では、大きな資金が動くことに絡み、大会の成功、盛り上がり、経済効果、活性化といったスポーツレガシーに関連する部分も含め、マスコミが大きな役割を担っていると感じています。今後、大会が近づくにつれて、大会関連への報道の仕方にも変化が出てくると思う為、そうした変化について生活者がどのように感じていくのか、引き続きウォッチしていきたいと思います。


集計結果の中で筆者が気になったのは、「知名度・盛り上がり」、「ラグビールール」といった内容への不満や要望が挙がっていることでした。具体的には、「知名度・盛り上がり」は、国内での知名度・盛り上がりが感じられないといった意見が大半でした。この不満に関しては、先ほど述べたマスコミの大会関連への関わり方が大きなウエイトを占めているように感じます。イングランド大会の日本代表(ジャパン)の大躍進を連日放送した時のように、まずはスポーツニュースの枠内で、ラグビーワールドカップに関する放送を少し増やすことで、国民の盛り上がりは大きくなると思います。

スポーツ庁はスポーツを「する」、「みる」、「ささえる」機会を増やしていく取り組みを推進していますが、マスコミはスポーツを「みる」ことについて、中心的な存在になって頂きたいと感じています。

「ラグビールール」については、ルールが複雑すぎて分からないといった意見が大半でした。部活や体育の授業などで実際にラグビーを体験していない人にとって、TV放送が少ない現状では、確かに分かりにくいと思います。秩父宮や花園に実際に観戦に行けば、場内アナウンスで専門的に細かくルールを説明をしてくれますが、一般の生活者には正直、分かりにくい。この不満が解消しなければ、ラグビーワールドカップを歓迎したいという気持ちすら起きないと思われるため、ラグビー関係者の皆様には、開催地を中心とした地域から、早急にラグビーを理解させることを進めて頂きたいと感じています。

TV放送・マスコミ・取材

  • 「2019年にはラグビーワールドカップも日本で開催されるし、もっと地上波でラグビーの試合を放映してほしい。(30代女性 九州)」
  • 「日本でマイナースポーツのラグビーがワールドカップで盛り上がったまではよいが、五郎丸だけ着目せずに、他の選手にもスポットライトを浴びせて盛り上げるべき、2019年に日本でワールドカップを開催するのだからね。(40代男性 関東)」

知名度・盛り上がり

  • 「ラグビーワールドカップが日本で開催されるが、ラグビーというスポーツがほとんど盛り上がっていない。強くないと盛り上がらない。(50代女性 関西)」
  • 「ラグビーワールドカップあまり大きく取り上げられてないのでもっと注目度が上がってくれると嬉しい。(40代男性 東北)」

ラグビールール

  • 「いまだに細かいルールがわからない。ただルールがよくわからなくてもワールドカップは見てておもしろかったので、もうちょっとわかりやすいルールならもっと普及すると思うのに残念。(50代男性 九州)」
  • 「これから観ようと思うのですがルールがわからない。わかっていればすごく楽しめるのになと残念に思うこと。(40代女性 関西)」

2019年のラグビーワールドカップは、調布市の東京スタジアム、東大阪市の花園ラグビー場の他、計12の開催地の競技場で行われます。12の開催地は、ワールドカップを受け入れる為の施設準備や大会運営について、地元自治体を中心に、地元企業、地元住民が一体となって、成功を目指していると思います。こうした活動こそ、スポーツレガシーの一環だと感じます。

また開催地だけではなく、大会前から出場国・出場選手を支える場所として、公認キャンプ地の自治体があります。今回のラグビーワールドカップの公認キャンプ地は、まだ正式に決定していませんが、90の自治体が立候補しています。これらの自治体もスポーツレガシーの観点から、地域創生・地域活性を目指して立候補しているのだと思います。

2002年に開催されたサッカーの日韓ワールドカップでは、カメルーン代表の公認キャンプ地となった大分県中津江村が、当時の坂本休村長の個性も相まって、日本中から注目され、新語・流行語大賞にも選ばれました。中津江村は日田市となりましたが、その後も日本代表とカメルーン代表の親善試合をしたり、サッカーやカメルーンとの振興を中心に活性化を図っていると聞いています。

2019年のラグビーワールドカップでも、開催地、公認キャンプ地を中心として、日本全体で世界からの期待に応えて大会を成功させたいですね。


ここまで日本のスポーツレガシーについて2019年のラグビーワールドカップを中心に考えてきました。今回はここまで。次回も違った形で日本のスポーツレガシーについて考えてみたいと思います。

コラムの結びに筆者の好きな言葉をお伝えして終わりにします

~「正解はひとつではない以上、自分たちにとって都合よく解釈してもいい。いまピンチに感じることも、飛躍するチャンスかもしれない。」~ 元ラグビー日本代表監督 ミスター・ラグビー 平尾 誠二

篠田 悟

執筆者情報

早稲田大学卒、インテージ、野村総合研究所を経て、ロイヤリティ マーケティングでリサーチ事業を立ち上げ運営。2017年5月に参画。

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