子供の仕事に求めるのは『仕事のやりがい』の本当のところ

ー 子供の頃になりたかった職業に関する調査より ー

2018.05.08

先日、小学生のお子さんを持つ方と話していたとき、「子供がYouTuber(ユーチューバー)になりたがっている」という話を聞いて衝撃を受けました。最近メディアなどで「小学生がなりたい職業 ○位『YouTuber』」などというランキングを目にすることもたびたびあったものの、それがこんなに身近で(自分の知り合いで)起こっていることを知って、ようやく現実味がわきました。

子供の職業に求めるものは『仕事のやりがい』

YouTuberが良い・悪いという話ではなく、単純に自分が子供の頃にはなかった選択肢なので驚いただけの話です。そもそも人々は、「子供にはこんな職業に就いてほしい」という考えはあるのでしょうか。

親であれば、子供に自分の価値観を押し付けてしまうことも、子供の意思を尊重したいと思うことも、どちらの考えも少なからず持っているものだと思います。自分の子供の職業に対して求めるものを見てみると、お給料や勤務時間等の労働条件を抑え1位になったのは「仕事のやりがい 29.9%」でした。2位は「会社の安定性 23.2%」でしたが、3位は「特に求めるものはない・本人に任せる 16.9%」という回答。どちらかと言うと、「本人の意思を尊重し、本人がやりがいを感じる仕事をすればよい」という傾向の方が強いと想像することができます。

公務員や医療従事者は親世代から根強い人気

具体的に「子供になってほしい(ほしかった)職業」を見てみます。こちらは自由回答での結果をワードクラウドで表示したものです。


※回答の内容をヴィジュアル化したもの。大きく表示されている単語ほど、回答の中で登場頻度が高いものになる(以下同)。

『公務員』という文字がひときわ大きく出ています。その他には『医者・医師』『看護師』『薬剤師』など、医療従事系も子供になってほしい職業として人気が高いことが窺えます。

その理由を見てみると、子供になってほしい職業としては大きく4パターンに分類できることがわかりました。

  • ●安定系
  • 「公務員…倒産の危険がなく、収入が安定した職業だから。(女性30代 既婚 子供3人)」
  • 「一流企業のサラリーマン…とにかく安定、お金に困らない。旦那がなっていてかなり助かっているから(女性30代 既婚 子供1人)」
  • 「医者…人の為になり、かつ生活も人並み以上のものが得られるから(男性50代 未婚 子供なし)」

  • ●わかりやすいステータス系
  • 「スポーツ選手…活躍する姿を見たい(男性30代 既婚 子供2人)」
  • 「弁護士…社会的地位があるから(男性30代 既婚 子供2人)」
  • 「芸能人…歴史に名を残してほしい(男性30代 既婚 子供1人)」

  • ●自分の夢を託す系
  • 「キャビンアテンダント…自分がなれなかったから、華やかな職についてほしい。(女性30代 既婚 子供なし)」
  • 「プロサッカー選手…自分が叶わなかったから。(男性40代 未婚 子供なし)」
  • 「ピアニスト…自分がピアノを習いたかったけど習えなかったから(女性30代 既婚 子供1人)」

  • ●自分が得したい系
  • 「美容師…自分が美容院が苦手なので身内にいてほしいから(女性20代 未婚 子供なし)」
  • 「医者…自分が病気をしたときに診てもらえるから(男性30代 既婚 子供1人)」
  • 「パイロット…家族の搭乗費が無料で沢山旅行出来るし、人に自慢できる。(女性40代 未婚 子供なし)」

安定していて人に誇れる仕事に就いてほしいというのが、体勢の意見であることがわかります。

なってほしくない…『YouTuber』の存在感

一方、「子供になってほしくない(ほしくなかった)職業」です。幅いっぱいに横たわり存在感を示すのは冒頭ご紹介した『ユーチューバー』。『ユーチューバー』『YouTuber』を合わせると、その回答は11.1%にも上りました。

その理由としては、「安定していない」「人の役に立たない」「炎上やトラブルのリスク」などを挙げている人がほとんどでした

  • 「地に足が着かない職業だし、一時の流行りだと思うから(女性40代 既婚 子供なし)」
  • 「社会貢献度が低いから。無くても良い。(女性30代 未婚 子供1人)」
  • 「炎上すると特定される。下手すると家族まで迷惑被る(女性20代 未婚 子供なし)」

なってほしくない職業として目立つのは不名誉なことかもしれませんが、それでもこれほど名前が挙がるのは『YouTuber』がそれだけ世の中に影響を与えているということに他なりません。

また、『水商売』『ホスト』など夜のお仕事系、『フリーター』『ニート』などもなってほしくない職業として多数声が挙がっています。やはり親としては、安定した職に就いてほしいという思いが根底にはあるようです。

  • 「定職につかないフリーター…やっぱり安定しないから、腰を据えた仕事をして欲しい。ニートはもってのほか!(女性40代 既婚 子供1人)」
  • 「水商売系…良いイメージを持てないため。実際はスゴい職業だと思うが、我が子にはついて欲しくない。(女性50代 既婚 子供3人)」
  • 「水商売・キャバ嬢…世の中お金だけが大切ではないと思うし、価値観が狂うから。(女性50代 既婚 子供1人)」

一方気になるのは『教師』『学校の先生』や『芸能人』など、なってほしい職業にあっても不思議ではない職です。その理由からは、モンスターペアレンツや、公私の区別がない生活、人間関係のストレスなど、現代社会らしい問題が挙がってきました。

  • 「学校の先生…モンスターペアレントが増え、その対応や事務仕事など、本来の教師としての仕事以外のことが多く、心身ともに疲れるから(女性50代 既婚 子供2人)」
  • 「教師…子供が学校に通い、親との関係が大変そうだし、朝早く、夜遅くまで仕事。精神的に良くなさそう。(女性40代 既婚 子供2人)」

  • 「芸能人など有名人…有名になると必ずネットで叩かれるから。子供に関する暴言など見ていられないので。(女性30代 未婚 子供なし)」
  • 「芸能人…今の芸能人はプライベートまで詮索されてるのを見て嫌だと思う(女性40代 未婚 子供なし)」

子供の職業に求めるものは『仕事のやりがい』であり、「子供自身の意思を尊重する」という傾向ではあるものの、実際になってほしい職業・なってほしくない職業を見てみると、『安定』も欠かせないものであるということがわかります。最低限、『安定』した職には就いたうえで『やりがい』のある仕事を見つけてほしいというのが親としての思いのようです。

大人になって夢が叶った人は1割

ではそんな大人たちは、子供の頃どんな職業に憧れていたのでしょうか。子供の頃に最もなりたかった職業は『漫画家』、『ケーキ屋さん』、『保育士(保母さん)』など、子供らしいかわいらしい職業が並びました。

子供の頃になりたかった職業、実際に夢を叶えた人は9.4%という結果でした。世の中には子供の頃には見えない仕事が多くあります。教育課程を経て社会が見えてきて、他にやりがいを感じるものに出会ったり「好き」以外の仕事選びの条件が加わったりということがほとんどでしょう。そしてそんな経験を経たからこそ、子供に伝えたい思いもあるのではないでしょうか。

  • 「IT企業…お父さんがそのIT企業で働いていて魅力的だから。(男の子12才)」
    (これからなりたい職業…その理由)

今回のアンケートに回答してくださった未成年者の声です。子供の将来の方向性については、親が導くのもひとつ、子供の意思を尊重するのもひとつ。あとは親自身がポジティブな姿勢で仕事に取り組んでいる姿を見せることも、子供には大きく影響を与えると感じた一言でした。

調査概要
調査対象:不満買取センター会員 1,493ss(10~77歳男女)
調査手法:不満買取センター(web)内でのアンケート
地域:      全国
調査期間:2018年4月

Women Insight Project

執筆者情報

不満買取センターの中でも、女性の声にフォーカスし、現代女性の思いを企業や世の中に還元していくことを目的に立ち上げられたプロジェクトです。

近年は人々のライフスタイルの多様化により、年代や地域等の基本属性だけでは生活者像を理解できなくなってきています。特に女性は、結婚・出産・就職・離職等のライフイベントが多く、ライフステージによっても、生活や価値観、嗜好が大きく異なります。様々な人生を送っている女性の価値観や嗜好を把握し、それを世の中に還元することで、人々のくらしや企業のビジネスを支援するのが、このプロジェクトの目的です。

参考:女性の食クラスタ概要はこちら
http://insight-tech.co.jp/data/news/pdf/IT_NEWS_RELEASE_2017-09-15.pdf

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