- コラム
- 2019.08.29
個食を支持する「個人尊重家族」へ
『食生活』に関する調査より
『個食』という言葉を聞いたことはありますか??個食とは、家族に属する個人がそれぞれ別々のものを食べることを表す言葉です。進む核家族化や共働き世帯、単身世帯の増加に伴い、一人で食事する『孤食』だけでなく、この個食も増えているようです。そこで今回は、個食や孤食の実態を知るべく、不満会員2,000名に食生活について聞いてみました!
変化する食卓、家庭内で進む『個食×孤食』
家族がいる世帯の人に個食について聞いてみると、約半数の人が家庭内で誰かしら個食していると答えました!個食状況を見ると「同じ食卓について」が最も多く、“食卓を囲む=同じものを食べる”はもはや過去の食卓光景となりつつあるようです。「バラバラな時間に」、「同じ食卓につかずに」など、『個食×孤食』の状況も進んでいるようですね。
※今回の調査での『個食』の定義は、「ご家庭での食事について、家族がそれぞれ別々のものものを食べたり、同じメニューでも別々の味付けを食べること」としています。
個人を尊重、進化する家族のあり方
個食になる理由を聞くと、1位は「生活リズムの違い」でした!一人で食事をする頻度を見ても、朝食は孤食が多く、起きる時間の違いやパン派ご飯派など「個食×孤食」が多そうです。注目すべきは「好みの違い/好き嫌い」、「気分の違い」などの理由です。“無理に食べなくても”、“自由でいい”、“好きな時に好 きなものを食べたい”など、個人のライフスタイルや嗜好を尊重する傾向が家族内でも強まってる様子が伺えます。
【個食する理由(一部抜粋)】
- 年齢の差が、そのまま食材や味の濃淡の好みの差に繋がっているから。一人ひとりがスマホを見ていて、一緒に食べても虚しさがあるから。(40代男性/未婚/会社員)
- 時間帯や年齢、持病の違い、味の好みの違い、みたいテレビがあるなど、理由は多岐にわたります。(50代女性/既婚/パート・アルバイト)
- 私がゆるベジっぽく食べ物に関しての考え方が家族と合わない面があるので。それから、別に同じ食卓を囲まなくても自由にすれば良いし、そういう同調をしなくても問題無く、個食だからといって家族として機能していない訳でもないから。(50代女性/未婚/自由業)
- 無理に食べたくないときに食べなくて良いと思うし、気分の時に食べたい物を食べる形式が各自のペースで食べれて良いと思う。外食なら一緒に食べる。(30代男性/既婚/自営業)
- 家族構成員の特性の都合で、あわせきれない、合わすことを努力して疲れて険悪になるくらいなら、マイペースでよい、我が家では仕方がない部分が大きい。(30代女性/既婚/専業主婦)
- 朝食が各自起床時間や出勤時間がバラバラなこと、前日晩御飯が遅くて朝食がコーヒーやヨーグルトだけの者、パン食派・お米派、ダイエット中など、各々の事情で朝昼夜の食事の中では1番個食率が高い。(50代女性/既婚/専業主婦)
- お昼位は好きなものを食べさせてあげたいから。その代り朝と夜はみんな一緒の食事(30代女性/未婚未婚/無職)
- それぞれ自室で勉強や仕事をしており、一段落する時間が合わない。せめて夕食だけでも一緒にと心がけてはいるが、なかなか難しいです(50代女性/既婚/専業主婦)
個別で味付けは当たり前
個食の食事内容について見ていくと、「生活リズムの違い」や「気分」では、惣菜やお弁当などの中食やレトルト・インスタント食品、冷凍・チルド食品などの簡便食品が活躍しています。「好みの違い/好き嫌い」では、出された料理を自分好みにアレンジされてる人が多いですね。そんな時の強い味方は調味料のようです!
【個食の際の不満や悩み(一部抜粋)】
- 炒め物などを味付け無しで作り、各自好みの味付けで食べることが多いので、使うお皿や調味料の量が多くなる。(40代女性/既婚/パート・アルバイト)
- 外食やテイクアウトは個々の好みで注文すればいいので問題はないが、自宅で料理する時に味付けを変えるのは面倒。味を変えたい人は調味料や香辛料で調整してもらっている。(40代女性/既婚/会社員)
- みんなが食べたい物が一致するけど味の好みが一致しないため毎回味付けが何通りにもなるのが不満。(40代女性/既婚/自営業)
増える食事作りの負担やストレス
個食の際の不満や悩みを聞いてみると、調理回数や洗い物が増える、献立や買い物を考える負担などが多く挙げられました。ちょい足し、味変される、残されるなども作り手にとってはストレスとなっているようです。単身世帯の孤食では、やはり食材が残る、賞味期限に追われるなど「食材管理」が大きな不満や悩みとなっていますが、家族がいる世帯でも、個食により家族それぞれの好みに合わせた調味料や食材が必要になることで、同様の不満や悩みが生まれているようです。
【個食の際の不満や悩み(一部抜粋)】
- それぞれが最終的には好きなように食事するが、アレンジしたとしても好み/好き嫌いは何となくわかるため、廃棄を出さないように残しにくいであろうメニューを考えて作らないといけない。心理的には少し負荷があり(20代女性/既婚/パート・アルバイト)
- 調味料や、食材がバラバラになりやすいので、もう少し少なめの量で売っているのがほしい。(30代男性/既婚/会社員)
- 不経済。同じ食卓で別々のものを食べるといろんな食べ物の匂いがして気分が悪くなることも。納豆やカレーなど苦手な人は苦痛(40代女性/未婚/会社員)
- 幼児、旦那、自分でそれぞれ味付けや食材の大きさ、形、食べれる種類がバラバラなので毎回料理が大変。(30代女性/既婚/専業主婦)
家族意識と食生活の多様化
とにかく現代人は忙しい!やはり昔とは違います。家族で食卓を囲む難しさや意義について考えさせられる調査結果でした。思い返せば、健康や栄養を意識した手軽な食品が多くなりましたし、食品の味や調味料の種類も本当に豊富になりました。そして何より手軽に購入出来る!そんな豊かで便利な世の中になったことも、個食が進んだ一因かもしれないと思うのは私だけでしょうか。
次回も引き続き、食生活について調査した結果をお届けしたいと思います!
調査概要
不満買取センター会員 2000ss
(男性456ss 女性1544ss / 単身世帯 253名 家族と同居している 1,747名)
調査手法:不満買取センター(web)内でのアンケート
調査期間: 2019年8月