- コラム
- 2018.09.19
敬老の日にちょっと考えてみた
介護・医療の情報から求められていること
今年は9月17日(月)が敬老の日の祝日でした。その為、土、日が休日の人は3連休となり、この休みを利用して旅行に行ったり、運動をしたり、読書をしたり、いろいろな活動をして過ごした方が多いと思います。祖父母がいる方は、会いに行ったり、プレゼントを贈ったり、一緒に食事をした方もいるのではないでしょうか。
全国で100歳以上の高齢者が9月15日時点では6万9,785人に上ると新聞報道がありました。この人数は昨年よりも2,014人増え、なんと48年連続で過去最高を更新しているそうです。医学の進歩、医療技術の発展、健康ブームがその増加を支えており、10年前に比べて約2倍、そのうち女性が6万1,454人と88%を占めています。(数字は、日本経済新聞2018年9月14日版を参照)
国全体の人口における高齢化率は、先進国の方が高く、発展途上国の方が低くなる傾向があり、高齢化率が高い国として、ドイツ、フランス、アメリカ合衆国、スウェーデン、イギリス、などが挙げられます。しかしこれらのどの国よりも日本の高齢化率は高い水準にあります。日本は世界に先駆けて、超高齢化社会に突入している状況と言えます。
「2025年問題」を聞いたことがありますか。団塊世代(1947年生~1949年生)が後期高齢者(75歳以上)となり、その人数が日本の人口の5人に1人(2,000万人以上)となる「超高齢化社会」のことを意味します。今まで経験したことがない人口構成となる為、どのような問題が起きるのか、またどのような対策を国として、自治体として、企業として、家族として、個人として整える必要があるのか、真剣に考えていかねばならないと、痛感しています。
筆者は敬老の日に、上記で記したような日本がこれから迎える超高齢化社会について、想いを巡らせたのですが、もっと身近な問題として、両親のことを考えてみました。既に70歳を超え、医療機関の世話になっている為、今後は介護施設の世話になる日も来るのかもしれないと感じ、介護・医療施設の情報検索を試みてみました。
日頃から価格比較サイト、商品レビューサイトを見て、検討したり、購入したり、事前情報を取得することが癖になっていますが、介護・医療施設の情報サイトや検索・口コミサイトを見たのは初めてでした。飲食店の検索・口コミサイトや化粧品のレビューサイト、美容院の予約サイトと比較すると、まだまだ情報量が多いとは言えなのですが、施設の特徴や利用者が欲しい情報を反映したサイトになっており、今後の日本の介護産業の市場成長を考慮しますと、ますます介護・医療の情報サイト、検索・口コミサイトのマーケットは成長し、充実した内容になっていくのだろうと想像できます。
今後、介護・医療機関を必要とする方が急増することを考えた場合、「介護・医療施設に必要なサービス」や「介護・医療施設の検索時に必要なサービス」として、どのような内容が求められているのだろうか、たいへん関心を持った為、弊社が運営している会員組織に自由回答形式でアンケートを行い、自然言語解析技術を利用して分析を行ってみました。
今回の分析で利用した自然言語解析技術は、「意見タグAI」と言い、弊社と京都大学の黒橋・河原研究室と共同で開発した技術で、自由回答の内容をAIが構文解釈し、「□□-ガ-○○」という意見性があるフレーズを抽出する技術のことです。
※次のURLより詳細内容をご参照ください。
意見タグAI:http://lab.insight-tech.co.jp/articles/69
- 「家族が泊まれる施設」
- 「話し相手になってくれる介護士がいる」
- 「高齢者でも楽しめるレクレーション、娯楽サービスがある」
- 「家族がいつでもWebなどで介護施設の状況を見ることができる」
- 「施設内で習い事やステップアップできる教育制度があるとやりがいを持てる」
といった内容が求められていることが分かりました。
- 「身体や経済の状況を入力し、いくつかの候補から自分に合った施設が選べるサービス」
- 「実際の利用者の満足や不満が確認できるサービス」
- 「ネット検索を代行してくれるサービス」
- 「施設側の対応事項と自分で準備する内容が分かるサービス」
- 「実際の勤務者の意見が読めるサービス」
といった内容が求められていることが分かりました。
介護・医療施設を利用する側(本人やその家族)だけではなく、介護・医療施設を運営する側(運営母体やその従事者)の双方にとって必要な情報が交流できるハブとして、介護・医療の情報サイト、検索・口コミサイトは日本の超高齢化社会にはなくてはならないサービスになると感じています。
情報サイト、検索・口コミサイトの発展には、利用する側や運営する側の生の声を集める仕組みが必要だと思います。弊社は不満買取センターを運営しており、日常生活で生活者が感じた不満や要望の生の声を集めるシステム、ノウハウを持っているため、介護・医療分野の企業向けにこのシステム、ノウハウを連携することで、今後、介護・医療の情報分野でも、貢献できるのではないかと思いました。
ここまで敬老の日にちなみ、日本がこれから迎える超高齢化社会、それに伴う介護・医療分野で関心を持った情報検索について考えてみました。
まずは個人が介護・医療分野に関心を持ち、自身や家族の健康に気を配りながら、超高齢化社会に対して何ができるのか考えることが必要なのかもしれませんね。