• コラム
  • 2020.07.21

「旅行」「外出」への不満はコロナでどう変化した?


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こんにちは、インサイトテックのアカバネです。
6月に都府道県をまたいだ移動が解除され、一度は規制が緩和されたものの、7月に入り感染者が増加したことにより東京都を中心とした大都市圏では移動自粛が再び呼びかけられています。

ゴールデンウィークはどこにも行けなかったので、お盆期間は近場の観光地に足を伸ばしたい、実家への帰省が楽しみ、と考えている方は多いのではないでしょうか。
政府のGo Toキャンペーンの施行で人の行き来に不安を覚える方も多く、日々状況が変わる中、今年は去年とは違う旅行・外出の不満が見られます。
「不満買取センター」に集まる「アウトドア・スポーツ」「宿泊・観光・レジャー」の不満を分析対象として、外出する際、注意したいけれどできないことや、旅行ができないからこんなことをしている・したい、等。不満の中に、しばらくの間私たちがコロナと付き合っていくためのヒントが隠されていないか確認しました。

  1.「アウトドア・スポーツ」「宿泊・観光・レジャー」に関する不満は全体的にどう変化したのか?

「不満買取センター」に投稿された「アウトドア・スポーツ」「宿泊・観光・レジャー」への不満は、2019年と比べるとやや減少しています。コロナ禍で、堂々と遊べなかったにも関わらず一定件数が見られます。
不満の内容を見てみると、自粛要請期間の他人のレジャー行為への不満や、都道府県をまたぐ移動への不安感といったコロナ禍独自の不満が多く見られました。

 2.ジャンルに限らず、「お出かけ」に関する不満キーワードの変化は?

それでは、「アウトドア」「レジャー」のカテゴリに限らず、すべてのカテゴリでキーワード「旅行」「外出」に対してはどの程度件数投稿があったでしょうか。
※キーワード:(旅行、外出、おでかけ、遠出、レジャー、アミューズメント、観光)で検索。図サイズの都合上「旅行」「外出」の表記としています。
カテゴリ「アウトドア・スポーツ」「宿泊・観光・レジャー」以外も含めると、件数は大きく伸びています。特別なレジャーではなく、今年は暮らしの中での「外出」シーンや身近な「旅行」に不満が集まっていそうですね。
次に各年の不満の頻出ワードランキング(意見対象部)を確認してみました。(※意見対象部とは意見タグAIで生成される意見タグ「〇〇ガ□□」の〇〇に該当する部分。次のURLをご参照ください。http://lab.insight-tech.co.jp/articles/69)
※カテゴリ「政治」「趣味」は除いています。
「不要不急」という言葉が良く使われるようになったからか、「不要」という言葉が目立ちます。
しかし、旅行したい気持ちやコロナ禍に旅行している人への不満が混在しているため、キーワード「旅行」が5位になっています。それではいったいどんな不満が含まれているのか、具体的に見ていきます。
まず、3・4月と5・6月で同ユーザーの投稿を比べてみると心境に変化があることがわかります。

3月にはコロナウイルスに対して恐怖心を感じていましたが、5月には旅行も視野に入れ始めています。世間の雰囲気も、少し開放的になり自身もお出かけに対し少しハードルが下がっていますね。
その一方で、外出に対して、3月から引き続き警戒している方にはこんな変化が見られました。
長期間続くコロナ禍では、個人や家族において、外出することへ意見の違いがあることが分かりました。
個人によって意見の違いがあることを理解したうえで、「外出」に対する本音の不満を一部紹介します。

 外出規制を徹底していたらメンタルに影響が出てしまった。

 オンライン飲み会のデメリット。自由に外出できていたときは考えなかったこと。

 ポジティブに考えようとしていても、外出を控えるのは精神的に少しきつい。

4月までは、こういった「外出を自粛すること」を肯定的に捉えながらも、センシティブな気持ちも
同居するような意見が多く寄せられました。
5月末の緊急事態宣言の解除、6月の休業要請の解除と共に不満の内容にも少し変化が見られるようになりました。
コロナ禍で、衛生管理に気をつけながら外出するのにも慣れたことで具体的な不満が見られます。

 外出時に手を洗いたい。外出から帰ってきたときこんな商品があれば便利。

具体的に外出のときに対処をしたいポイントについての不満です。
特に除菌アイテムについては誰しも手軽さをもとめているところ。
確かに紙石鹸は、今ではおしゃれなお土産・誕生日グッズのイメージですが、昔のように日常的に使用できるようなものがあると便利です。かつて当たり前だったものが、改めて便利さに気づくことは他にも多くあるのではないでしょうか。

 これからの時期、外出時の暑さが気になる。

 人の触れたものに触る不安感

 外出時に汚れたマスクは嫌/自販機が欲しい。

これからのお出かけ・レジャーはどうなる? 不満から考える未充足ニーズ

ここまでの不満・要望を一言で言うと
  • 外出をしない・家にいるだけでも精神的負荷が高い。オンライン飲み会にもコミュニケーションの限界がある。
  • コロナへの不安を抱えたまま外出をするため、心理的負担を減らすための抗菌グッズに需要。
  • 間接的でも人と触れ合うことにためらう。
  • より対策をしている場所へ安心感を求める。
以上の点が見られます。
また、しばらくマスク着用が必須の世界の中で、不快感があるので外に出たくないといったこのような不満の声もあります。

こうして見ると、旅行や外出に対するストレスを大きく感じそうですが、根本的に「旅行」「外出」に求めることは何なのでしょうか?
別の視点の不満から、私なりの考察をしてみます。

 冒険のしにくいコロナ禍。新しい出会いをしたい

しばらくは、海外旅行に行けるような状態ではありませんが、実際に足を運ぶことは無理でも、インターネットで新しい世界に飛び出したいという声があります。
ライブや観劇、映画館が通常通りに運営できない中でレジャーにまだひとつ足りないのはこのような「セレンディピティのある刺激」ではないでしょうか。
コロナ禍で、身を守りながらも新しいものと出会う「旅行」「外出」への工夫や、代替となるレジャー行為がこれからの楽しみ方のヒントになりそうです。使用画像サイト : https://www.freepikcompany.com/

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