• コラム
  • 2019.01.22

不満買取センターに投稿される声(その8)
Insight Eye8:2018年12月の特徴的な内容とは?


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2019年が始り約3週間が過ぎた。お正月には昨年の1年間を振り返り、今年の目標を立てた方が多いと思う。不満買取センターとして昨年の大きなトピックスは、投稿件数が1,000万件を超え、会員数も40万人を超える規模に成長することが出来た事が挙げられる。今年は、この膨大なビッグデータを、より可視化・価値化し、社会課題の解決に生かせるような取り組みを加速していきたいと考えている。また、昨年6月から開始した、この月次の報告レポートも、不満買取センターに投稿される声が他社のビッグデータや顧客の声、SNSの声とは違い、生活者インサイトを探索する上で、とても有効なデータであることが理解できるよう、意識しながら連載をしていきたいと考えている。本報告レポートを愉しみにして頂きたい。今年もよろしく御願いします。

さて、今年は4月30日に平成時代が終わり、5月1日から新元号による新しい時代が始まる年である。それに伴うお祝いイベントや祝賀ムードで世の中が活気付くことが予想される。また9月~11月には、ゴールデン・スポーツイヤーズの最初のイベントとして、ラグビーワールドカップ2019年大会が日本で開催される。地方開催都市・キャンプ地を中心に、地方創生としての地域経済の活性化も予想される。だがこうした好景気に繋がる循環と相反して、10月に消費税が10%へ増税となる。例年にない程の大きな出来事が続くため、どのように日常生活に影響が出るのか、生活者の行動に変化が出るのか、不満買取センターの生活者の声を丁寧に追って報告していきたい。
かつて、バブル景気の最中に、昭和から平成へと元号が変わった30年前とは違い、今年1年の動きは、これから始まる新しい時代の日本を読み解く上で、貴重な情報になるだろう。不満買取センターに投稿される生活者の声は、最も身近に感じられる世相だと感じている。

今年1回目のレポートは、昨年12月の不満トレンドと共にその分析結果をご紹介したい。
下のグラフは、Insight Techが定める業界22項目の月次不満投稿件数の比率を表示したものである。2018年12月の不満投稿の特徴は、「コンビニ・小売店・量販店」、「外食・出前・お弁当」、「アプリ・Webサービス」の投稿数が増加したことである。これらのカテゴリでは、クリスマスや年末年始に関連する食品・商品やイベント・セール・キャンペーンなどへの不満が集中した。12月はその時期らしい文化や日本独自の風習・慣習に関連する不満が集中した月だったと見ることができる。

続いて下のグラフは、2018年1月~12月にInsight Techが独自に定めた業種カテゴリ「文化」への投稿数と不満買取センターへの総投稿数に占める「文化」カテゴリの割合を表示したグラフである。
10月は年々盛り上がりを見せるハロウィンに対する不満が高まったが、通年で「文化」への不満投稿が最も多かった月は12月であったことが確認できる。

次に下のマップは、Insight Techが保有する自然言語解析技術である意見タグAIを活用し、12月に「文化」カテゴリへ投稿された不満内容の“意見対象部”のみをワードクラウド化した図である。
出現数の多いワードを見ると、「クリスマス」、「年賀状」、「大掃除」、「作る」、「お金」など、年末は日本独自の風習・慣習により、やることも出費も増えることで不満が募る様子が伺える。
※意見タグAIについては、次のURLより詳細内容をご参照下さい。
意見タグAI:http://lab.insight-tech.co.jp/articles/69/

(一部抜粋)

  • 『クリスマスや年賀状やお節作りや大掃除があるから年末が忙しくなるんだと思う。もう要らん。年末くらい心穏やかに過ごしたい(30代女性/既婚/専業主婦)』
  • 『クリスマスから正月。お金がかかること。クリスマスプレゼント、クリスマスパーティ、大掃除、正月の準備、おせち料理。お年玉。金のかかる、忙しいことが年末に集中しすぎてつらい。(40代男性/既婚/会社員)』
  • 『クリスマスが楽しいのは子供と若人だけだ。ジジババはお金が出て行くだけで楽しい事は何も無い。(60代女性/既婚/専業主婦)』
  • 『上司に出したり、親戚に出したり本当に面倒。電話なりメールで済ませれば十分だと思う。郵便局の仕事も無駄に増えるし、結局はゴミになるし本当に要らない、毎年毎年不満だ。(20代女性/未婚/会社員)』

今回の12月の投稿内容から、その時期らしい文化や日本独自の風習・習慣への不満は、そこを商いの焦点としているマスコミや流通からの情報に若干踊らされている部分もあるのではないかと感じられる。本来の年中行事として取り組む対応以上に、やらなくてはいけないといった煽られた気持ちが不満に繋がっているのではないかと感じられるからだ。
また、時代と供に生活スタイルの変化・多様化が進み、年賀状をSNSで代替することや、都会で生活しており年末年始に故郷に帰省しない人も増えている。こうした変化を受け入れて、時代にあった新しい文化、風習・慣習への対応を認めていく社会を生活者は望んでいると感じられる。

このように今後も毎月の不満のトレンドを確認しながら、月次のトピックスに対してどのような不満や要望があるのかご紹介していきたいと思う。
今回は12月の不満トレンドと共に年末の文化・風習・習慣に対する生活者の不満についてお知らせした。次回は2019年1月ならではの話題でお届けしていきたい。

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