属性と離反のカンケイ

ー 不満の声から見えるホンネ② ー

2017.10.23

<サマリー>

・シニア層ほど不満が離反につながる。時間に対する思いの強さが背景に。
・リッチ層ほど不満が離反につながる。品質に対するこだわりの強さが背景に。
・「時間やお金があるから買ってくれるだろう」というシニア層、富裕層戦略は逆効果。

前回コラムでは不満と離反とのカンケイを見ました。商品・サービスそのものの機能や性能だけでなく、生活者がどんなシーン・気持ちで商品・サービスを利用しているのかを確りとストーリーとして理解することが必要であることがわかりました。

では、属性によって「不満を起点にした離反のしやすさ」は異なるのでしょうか?送っている生活が異なれば、きっと離反へのつながりやすさも違うはず。今回は年代、世帯年収による離反のしやすさの違いを見てみましょう。

【シニア層ほど不満を思うと離反しやすい】

前回ご覧頂いた不満のカテゴリ別にみた離反率(不満に思った結果、「もう購入・利用しなくなった」という声の割合)を更に年代別に分解します。
60代男性、60代女性で特に離反率が高いことが分かります。特に、ファーストフードやファミリーレストランでは、不満に思ったことがある人の7割は「もう来たくない!」と思ってしまうようです。
「ゆったりと素敵な時間をすごしたいのに」という時間に対する思いの強さがそうさせているのかもしれません。

例えばこんな声。Insight Techの独自AI「感情分類AI」では「嫌気」に分類される不満です。「利用しなくなった」と回答されている離反につながった不満です。

“ミニコースを頼んだが、最初にデザートまで一緒に出して欲しいと伝えた。しかし、最初の一皿、二皿は同時に来て、「済んだらデザートを申し付けて下さい」と言われたので「もう、持って来て下さい」と言った。それ以後も一皿目と二皿目を片付けに来られた時にもデザートを頼み、それからも2人の人にデザートを頼んでから、やっとデザートが運ばれてきた。 最初にデザートも一緒に出してくれと頼んでから何回頼んだかわかってますか? (60代・女性・兵庫県、AIによる感情分類「嫌気」)”

味や値段だけでなく「せっかくの時間を楽しみたいのに」というシーンへの期待が見てとれます。シニア層はこんな気持ちが強いのかもしれません。

【高年収層ほど不満を思うと離反しやすい】

次に、世帯年収別に見てみましょう。すると、世帯年収が高い層ほど不満が離反につながりやすいという結果が得られました。水・ソフトドリンク、食品、スイーツ・お菓子など、日常的に口にするもので特に離反率が高くなっているのが分かります。「経済的にもゆとりがあるからこそ、口にするものはしっかりと自分が安心できるものを選びたい」という品質に対するこだわりの強さがうかがえます。

例えばこんな声があります。「感情分類AI」では「怒り」に分類されます。これも離反につながった不満です。

“食品表示法に違反して、原産国名「中国」を表示せず販売した。消費者に対し正しい表示を行うという意識が欠如している。(世帯年収1,200~1,500万円・男性・北海道、AIによる感情分類「怒り」)”

単に「美味しい」というだけでなく、安心して、そして納得した上で口にしたいというこだわりを感じます。

【きっと買ってくれるだろう、使ってくれるだろう、は逆効果】

シニア層は「時間には余裕があるんだから色々な選択肢から選ぼう」という思いが強く、リッチ層は「多少高くても自分が納得でき気持ちよく過ごせるものを」というこだわりが強い。この期待に応えられないと離反を招きます。
多くの企業が、「シニア層戦略」や「富裕層戦略」を展開する時代。中途半端な価値ではむしろ逆効果。高い期待値に応えられる丁寧さ、きめ細かさが競争力を持つことを念頭に置いたマーケティングが必要とされています。

不満買取センターでは、「どんな不満が離反を誘発するのか」をホンネの自然言語から解析するエンジンで貴社の離反防止策の具体化をご一緒します。ご関心がおありでしたらお気軽にお声がけ下さい。

株式会社Insight Tech
代表取締役社長 伊藤 友博

執筆者情報

早稲田大学院建設工学修了、三菱総合研究所に入社。

ビッグデータマーケティング、AI(人工知能)を活用した新規事業開発を牽引。2017年代表取締役社長として参画。

〒163-1333
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