- コラム
- 2018.04.26
<ITAS③>意見の俯瞰を可能とする「可視化AI」とは
【ITAS「可視化AI」の特長】
- 意見タグの「意見対象部」、「意見述部」の類似度を踏まえクラスタリング。
- クラスタごとの意見タグのまとまりをマップ形式で表示(HTML形式)。
- これにより「どのような意見がどの程度存在するか」を俯瞰できる。
前記事ではITASのAIエンジン「意見タグAI」を紹介した。既述の通り、多くの文章から意見タグを生成する場合、目視しきれない数の意見タグが生成され、且つ意味合いが類似する意見タグが異なる表現で生成されてしまう。そこで、「意味合いが類似する意見タグをグルーピングする」ことが有効となる。これを可能とするのが「可視化AI」である。
「可視化AI」は、語句の類似度(文脈上の類似度)を評価するロジックを内蔵している(不満買取センターの不満投稿より構築)。これにより、類似する意見タグをクラスタリング(グルーピング)することができるのである。
その上で、クラスタの階層構造(相互の体系的な関係性)をマップ形式で可視化する(下図参照)。これにより、「全体としてどういう意見がどの程度存在するのか」を俯瞰することができる。
下図は、1,359件の不満投稿から抽出された5,499件の意見タグを可視化した結果の一部である。テーマは「中食の唐揚への不満」である。
【可視化AI】画面イメージ
「可視化AI」では意見タグランキングの確認や意見タグの検索ができる。下図では「値段-ガ-高い」という意見が最多であることが確認できる。その他、「量-ガ-少ない」、「時間-ガ-経っている」等の意見が上位の声として挙がっていることが分かる。これを人の目や手を経由することなく自動的に導出することができる。
下図でみると、「消費期限」と「賞味期限」が同じクラスタに分類されている。単純に語句の一致ではなく、類似度が反映されていることが確認できる結果である。このように、意味合いが類似する意見タグを束ねることで、大まかな意見の傾向を把握することが可能となるのである。
下図は「衣」に関するクラスタである。意見対象部が「衣」で同一であっても、意見述部による違い(「かたい」「大きい」「多い」「厚い」)などで別のクラスタを形成していることが分かる。これにより、同一の対象部でどのような意見が多いのかを詳細に理解することができる。なお、それぞれの意見タグやクラスタが該当する原文を参照する機能も実装されており、具体的な意見の内容をスピーディに理解できる。
「可視化AI」の活用シーンは、以下の通りである。
- 意見タグで構成されるクラスタの大きさに着目することで「意見のボリュームから見て優先度が高い意見は何か」を定量的に理解できる。
- 意見全体を俯瞰することにより、今まで気がついていなかった意見のまとまりを発見するきっかけとなる。
- 意見タグを含む原文をスピーディに参照することができ、意見の背景にあるシーンから、課題の所在を深く理解することができる。
このように「可視化AI」を通じ、大量のテキストデータの中から意見を自動的に抽出でき、且つ内容が類似する意見のボリュームを可視化することができる。
しかし、例えばカスタマーセンターへ寄せられる顧客の声を対象とする場合、「単に量が多ければ優先的に対応すべき課題か」という問題に直面する。その問題に対し、私たちは「感情分類AI」を構築・活用している。感情からみて1件の重み・優先順位を明らかにしようとするものである。
次記事ではこの「感情分類AI」についてご紹介したい。
<可視化AIのデモをご覧頂けます>
より多くの皆様にITASの活用効果を実感頂くため、可視化AIのデモをご覧頂けます(首都圏以外の場合はビデオ会議形式となる可能性があります)。ご希望の方はページ下部の「問い合わせ/資料請求」よりご連絡下さい。
お問い合わせ種別=「その他のお問い合わせ」
お問い合わせ内容=【可視化AIデモ希望】
関連記事:
http://resource.insight-tech.co.jp/article/64/release.pdf
http://marketing.itmedia.co.jp/mm/articles/1803/27/news072.html
http://lab.insight-tech.co.jp/articles/62
http://resource.insight-tech.co.jp/article/17/release.pdf