- コラム
- 2018.10.25
通勤電車は楽しくない
鉄道の日に関する調査より
1872年、日本で最初の鉄道が新橋-横浜間に開業しました。その誕生と発展を記念し10月14日は「鉄道の日」と定められ、鉄道が国民に愛され、その役割についての理解と関心がより深まることを願う日となっています。
この「鉄道の日」にちなんで不満買取センターでも電車に関するアンケートを実施し、電車に対してどのような不満があるかを調べてみました。
最も身近な公共交通機関
電車の利用頻度を聞いてみると、『週に1回以上』利用している人が過半数を占める結果となりました。通勤・通学や旅行など、電車は私たちの移動手段の一つとして生活の中で欠かすことの出来ないものとなっていることが分かります。
電車に乗ることを楽しめない現実
身近な交通手段である電車ですが、乗っている時間についてどのように感じているのかを聞いてみると、“楽しい”と答えた人は全体の約3割しかいませんでした。特に『通勤』で利用している人は“楽しい”と感じている人が少なく(計19.6%)、“つまらない”と感じている人が半数近く(計46.5%)を占めました。日常的に電車を利用している人はただの移動手段であると感じている人も多く、景色を楽しんだり、ボーとしたりなど、非日常の空間を楽しむ余裕はないというのが現実のようです。
本当は快適であって欲しい
電車に乗っていて感じた具体的な不満を聞いてみると、『車内環境』や『混雑』に対する不満が上位に挙がりました。暑い・寒い、座れない、体が痛い、息苦しい、周りと距離が近いなど、多くの人が肉体的・精神的ダメージに耐えながら乗車時間を過ごしていることが分かりました。
- 「内の温度。特に季節の変わり目で混んでくると暑いのに冷房が入らず暑い。そのような時期は混雑によって小まめに空調を気にしてもらえると助かる。 30代女性」
- 「人混みの中換気がされることもなく、ただただ冬場の風邪やインフルエンザの時期が嫌で仕方ない。不特定多数の接触当然の吊革や手摺りなども、すっごく嫌で仕方ない。臭いも嫌だ。 40代女性」
- 「満員電車が携帯も見られないど身動きできず、ぎゅうぎゅう過ぎて辛い。人間性を失っている空間。地獄。人生の質が下がる。 30代男性」
これらの『車内環境』や『混雑』を上回り、最も多かった不満は『乗客』でした。実際に他の利用客とトラブルになったことがある人は全体の約2割ではありましたが、トラブルを避けるため、移動するため、決して快適とは言えない空間でも不満をぐっと堪えて乗車している人がやはり多いのではないでしょうか。
- 「妊娠中、通勤の為にしばらく電車通勤をしていたが一度も席を譲ってくれた方がいなかった事が悲しかった。世間の厳しさを感じた。30代女性」
- 「子どもが泣いてしまったとき、冷たい目で見られた。動いている電車は密室だからうるさいのは分かるけど、泣かしたくて泣かせてる訳ではないので多めにみてほしい。 30代女性」
- 「人と違う動きをすると注目を集めてしまう気がして、目立った動きをしないようにしなければと圧力にようなものを感じる 40代男性」
- 「女性が近くにいると冤罪とかに巻き込まれそうで怖い。なるべく近寄らないようにしてる。 20代男性」
他人を思いやる心が快適空間を創る
電車とは、全く知らない人同士が近い距離感で空間を共有する特異な場所です。
空間を共有する相手は、性別や年齢、ライフスタイル、価値観など、自分と全く違う人間です。そのことを瞬時に理解して相手の立場で考えることは難しいことではありますが、イラッとする前に自分とは違う人間であることを思い出すだけでも、違った感じ方ができるかもしれません。
私自身疲れていたりすると、透明人間になったかのように無の状態で電車に乗っている時があります。そんな時は周囲への気遣いや配慮は出来ていないでしょう。どんな時も人に優しくできる心の余裕を持ち合わせていたいものです。
調査概要
調査対象:不満買取センター会員 1,450ss(男性332ss 女性1,118ss)
調査手法:不満買取センター(web)内でのアンケート
地 域:関東、関西、中部
調査期間:2018年10月
おすすめ (脚注:同じ筆者の記事)