• コラム
  • 2018.11.21

不満買取センターに投稿される声(その6)
Insight Eye6:2018年10月の特徴的な内容とは?


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株式会社Insight Techが運営する「不満買取センター」では、業界を22項目、業種を150項目以上に細分化しており、39万人以上の会員は、日常生活で感じたあらゆる内容の不満をどの業界、どの業種へ投稿するのか選択し投稿している。これまでに投稿された990万件を超える不満データは、Insight Techが保有する独自の自然言語処理技術を活かし、企業や社会の課題解決に広く利用されている。このコラムは、「不満買取センター」に投稿されたデータを、世の中のトレンドや話題をテーマに分析し、そこから得られた分析結果や知見を紹介しているものである。10月の不満トレンドと共にその分析結果をご紹介したい。

下のグラフは、Insight Techが定める業界22項目の月次不満投稿件数の比率を表示したものである。2018年10月の不満投稿の特徴は、「政治・行政・国際・文化」の投稿数が増加し、「コンビニ・小売店・量販店」、「外食・出前・お弁当」、「食品」が微増したことである。
「政治・行政・国際・文化」の中で出現回数が急増したトピック語は、“消費税、増税、議員、10%”であった。国会での消費税増税対策が話題になったことで増税に対する不満が高まったと推測できる。
続いて微増した「コンビニ・小売店・量販店」、「外食・出前・お弁当」、「食品」は、トピック語上位全てに“ハロウィン”がランクインした。これはハロウィンならではの商品・メニューへの不満や要望が集中したことが投稿数増加の要因であると推測できる。

10月の特徴を見ても分かるように、Insight Techの不満投稿は世の中のニュースや話題のタイミングとリンクしやすい特徴を持っている。今回は「コンビニ・小売店・量販店」のトピック語上位に“有料化”がランクインされた『レジ袋有料化の義務化』について、10月に投稿された(391件)を対象に自然言語処理技術で抽出できる意見タグを利用し、どのような投稿内容だったのかを確認していく。

下記のマップは、意見タグAIで不満投稿内容をAIが構文解釈し、「▲▲-ガ-○○」という意見性があるフレーズ=意見タグを抽出した後、意見タグを可視化AIにより類似度を踏まえてクラスタリングしマップ形式で表示したものである。
可視化マップからは、レジ袋をゴミ袋として活用している人からの不満、コンビニ導入への懸念、有料化以外の方法を求める声、国の対策に対する不満などが確認できた。

(一部抜粋)

  • レジ袋をゴミ袋として活用

    • 『自分の市では、レジ袋をゴミ袋にできるためゴミ袋を買わずに済んでいる。レジ袋が減ってゴミ袋が増えるような意味のないことにならないようにしてほしい。(30代男性/既婚/会社員(技術系))』
  • 有料化以外の方法

    • 『レジ袋を有料にするのではなく、一部のスーパーがやっているように、支払いの時にレジ袋の有無を聞き、要らない客には例えば総額から10円引けばよい。必然的にエコバッグ持参の人も増えると思う(60代女性/既婚/専業主婦)』
  • 国の対策

    • 『日本のリサイクルは国民に負担を強いるものばかり。日々分別に取り組んでいる国民に少しは還元していただけないものか。物価も高い上レジ袋代も取られたらスーパーに行かずネットで買い物した方がよくなる。(40代女性/未婚/その他)』

※次のURLより詳細内容をご参照下さい。
意見タグAI:http://lab.insight-tech.co.jp/articles/69
可視化AI:http://lab.insight-tech.co.jp/articles/70

不満買取センターに投稿される不満の平均文字数は60文字程度となっており、Twitterに投稿される内容の平均文字数15文字程度と比較すると情報量が多い。共に生活者の声を取得できる情報源ではあるが、Twitterに投稿される内容は感情表現や他の投稿のリツイートが内容となる傾向が強いのに対し、不満買取センターに投稿される内容は、不満に感じた商品・サービスに対する感情表現に加え、どんなシーンで何に対してどのような期待・不満をもっているのかが具体的に投稿される傾向がある。
今回、コンビニのレジ袋有料化導入について、コンビニのメリット低下や店員への負担、導入に伴う副作用など多くの課題があることが不満投稿から明らかとなったので、その一部をご紹介したい。

(一部抜粋)

  • 『コンビニなどで弁当だけを買う客は弁当をすぐに食べて袋をゴミ袋に使用する場合が多いからプラゴミ減量化には繋がりにくい消費者だと思う。レジ袋が高いと袋を買わずゴミをポイ捨てする人が多くなりそう。(40代男性/未婚/無職)』
  • 『スーパーのレジ袋有料化は、まだ理解できる。あらかじめ、買い物に行くことを予定しているから。しかし、コンビニなどは予定もなくふらっとよることが多い。また、この季節に出ているおでんはレジ袋なしではとても無理。特に、車以外の自転車やバイクなどの乗り物ではとても危険。レジ袋よりも、お手拭や割り箸などを有料化にすればいい。(20代女性/未婚/学生)』
  • 『レジ袋有料化するならもう袋詰めはセルフにしてほしい。ただでさえ、フリマアプリだ、申し込みだ、発送だ、切手を何種類も、、、ってレジの回転率悪く客もイラついて店員も気を遣って急いで処理してるのに客が持参の袋を出すのに手間取ったらまた並ぶじゃ無いか、、どうしろってんだ、、、(30代女性/既婚/パート・アルバイト)』

不満投稿からも確認できた、環境問題(プラゴミ問題)に関心はあるものの「必要以上にお金をかけたくない」「面倒、不便になるのは避けたい」というのが生活者の本音なのかもしれない。実際、様々なエコを生活に取り入れている理由が環境保全のためというより「節約のため」「社会のルール」「習慣(なんとなく)」という人も多いのではないだろうか。
エコの取り組みは生活者個人ではなかなか効果を実感しにくい問題である。2015年9月の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)には、2030年に向けた世界的な取り組みとして、17の大きな目標が定められ、その中には環境問題も含まれている。国や企業や自治体が中心となり、環境問題に配慮した取り組みを継続して行うこと、そしてその情報を正しく発信することがとても重要だと言える。そうすることで生活者のエコ意識は高まり、環境問題改善に繋がると思われる。

※SDGsについては以下のURLをご参照ください。

http://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/

今回は10月の不満トレンドと共に「レジ袋有料化導入」に対する不満に着目し、不満データの特徴を紹介しながら、データの見方や使い方についてお知らせした。次回も11月ならではの話題でお届けしていきたいと思っている。

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